漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、ドラマ「絶対正義」(フジテレビ系 土曜23:40~)をウォッチした。
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三大瞳孔開き気味女優。木村佳乃、水野美紀、そしてこの山口紗弥加なんである。3人共ちょっと面長。
口角は上がっていても、まったく彼女たちは笑っていない。なぜならその瞳孔はかっ開かれ、虚空を見つめているからだ。
「私が正してあげる」
開きっぱなしの瞳孔で、高規範子(山口)は告げる。決して罪を許さない、何より正義を愛する女。なんせ名前の中に「規範」がある。
高校時代から、彼女はそうだった。バス内で痴漢を発見すれば、即確保。廃屋で寒さをしのぐホームレスを目撃すれば、即通報。
喫煙していた生徒を、説教した上で穏便に事を済ませようとした体育教師と警察官は、即マスコミに告発して懲戒解雇に追い込んだ。
この範子の高校時代を演じる白石聖が、すごくいい。遠くに山々が見える地方都市。思春期の教室に漂うフワフワとした夢と不安。
そんな中で、凜とした少女が振りかざす正義。それは、10代特有の純粋な残酷さにも見える。