背景には少子高齢化や若年層の消費意欲の低下があると、つばめ投資顧問の栫井駿介代表は指摘する。

「消費者の目線は厳しい。高級志向の顧客は減り、一般客はコストパフォーマンスを重視する。需要が集中しているのは、作業服などの専門店チェーン『ワークマン』ですね。安くて機能性が高いですから」

 ファッションセンター「しまむら」を運営するしまむらグループも業績が落ち込む。歩きやすく見やすい売り場にしたが、「宝探し」感覚が薄れたのか、消費者の反応はいまいち。前出の栫井氏は、「商品の質がとりわけいいわけでなく、あまり特徴がみえません」とみる。

 凍える市場環境のなかで気を吐いているのが、栫井氏が語ったようにワークマンだ。機能性を重視した服で、新たな需要を掘り起こしている。防寒、防風、遮熱、吸汗、消臭といった様々な機能を取り入れ、しかも低価格。作業現場のプロだけでなく、一般顧客からの人気にもつながった。

 国内アパレル業界は今後、「海外に出ていくか、コスパを重視した戦略を考えるしかない」と栫井氏は話す。市場環境の厳しさは当面変わりそうもない。

 ZOZOの前澤社長がツイッターを再開するのは、いつになるのだろうか。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事

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