気負わない、自然体な姿は、多くのファンに支持された。ドラマや映画への出演、レギュラー番組の本数自体は、他のメンバーと比べると決して多くはないが、17年の主演映画「忍びの国」は興行収入25億円を超え、主演ドラマの平均視聴率は「怪物くん」(10年)13.9%、「鍵のかかった部屋」(12年)16%、「世界一難しい恋」(16年)12.9%など、いずれもヒットを記録している。

 だが大野さんには“普通であることを大切にしたい”という思いがあった。会見で「この世界を一度離れてみて、今まで見たことのない景色だったりを見てみたいなと。普通の生活っていうのは、今までこの世界に入って経験していないなっていう思いもあり」と語ったが、デビューから約3年後のインタビューでも、こう語っている。

「デビューした途端、僕よりずっと年上のスタッフの方が自分のことを、突然“さん”付けで呼んだり、『大野さん、座ってください』『お茶入れましょうか』って気を使ってくれるのが、すごく慣れなくって……。(中略)自分でできることは自分でやりたいですね。周りの大人から気を使われることに慣れちゃうと、なんだか自分が崩れそうで怖いっす」(「月刊アサヒグラフperson」02年12月号)

 同じインタビューで、「嵐は、あなたにとって何?」という質問に、21歳の大野さんはひと言、こう答えている。

「一生モノ」

(本誌取材班)

週刊朝日  2019年2月15日号より抜粋

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