

感染症は微生物が起こす病気である。そして、ワインや日本酒などのアルコールは、微生物が発酵によって作り出す飲み物である。両者の共通項は、とても多いのだ。感染症を専門とする医師であり、健康に関するプロであると同時に、日本ソムリエ協会認定のシニア・ワイン・エキスパートでもある岩田健太郎先生が「ワインと健康の関係」について解説する。
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さて、では実際にどのようにブドウをワインにするのかをここで説明しよう。
ワインは赤ワイン、白ワイン、ロゼワインといった「色」による分類がなされる。赤ワインは赤く、白ワインは白というか、透明、あるいは緑とか黄色がかった透明なワインだ。ロゼワインのロゼはフランス語で「ローズ(ばら)」の意味だ。バラの花にはいろいろな色があるけれども、この場合はピンクのバラのことで、ロゼワインはピンク色をしている。
また、炭酸ガスの入ったスパークリングワインもある。これは色とは関係ない分類だが、白が多く、ときにロゼで、赤のスパークリングワインはまれだ。日本では「泡」と称されることもある。
■イタリアではスプモンテ、ではドイツでは何と呼ばれるか
スパークリングワインは炭酸ガスの入ったワインの総称だが、シャンパンと呼ぶ人も多いのではなかろうか。これはフランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのことだ。シャンパーニュ、シャンパン、シャンペンとも呼ぶ。地方固有の名称なので、シャンパーニュ地方で造られたもの以外はシャンパーニュとは名乗れない。
だから、スパークリングワインについては各地で特徴ある呼称がある。イタリアのスプマンテ、スペインのエスプモーソやカヴァ、ドイツのゼクトなどが有名だ。シャンパーニュ地方以外で造るフランスのワインにもヴァン・ムスーやクレマンといった呼称がある。
というわけで、ワインはまず色で分類される。それから炭酸ガスが入っているか否かでも分類される。では、こうしたワインはどのように造られるのだろうか。
■ワインに入っているブドウの品種がわかれば、赤か白かがわかる
まずは、もっともよく普及している赤ワインと白ワインの違いを製造工程から考えてみよう。
赤ワインと白ワイン、両者はまず材料が違う。