放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、花王の「ビオレGUARD(ガード)薬用ジェルハンドソープ」。
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家庭でも企業でも“手洗い・うがい”励行を特に促しているのがこの時期。
テレビ局のトイレにも、手洗いや、うがいの正しいやり方をイラスト化した貼り紙が増える。さらには「インフルエンザ」「ノロウイルス」という冬の二大感染症名と共に、発症した場合の対処方法や、「すぐに担当部署まで連絡を」と内線番号を記している局もある。
ハンドソープに加え、除菌液や、うがい薬を置いているところもあるし、特に出演者が利用するタレントクロークがあるフロアのトイレは、こうした備品にこだわりがあるように見える。
当然、業務用のモノが多く、大きな透明ボトルに、いかにも効きそうなグリーンの液体ソープを入れてある局、手をかざすとシュワシュワッと泡タイプのソープが出てくる器具を新設した局もある。
それらにメーカー名や商品名がしっかり記してあることは少ない。だから、「まぁ、いいモノなんだろうなぁ」と思っても「いちいち調べて購入しよう」という気にはならないのだ。
が、一目瞭然。「花王」の製品であることが明記されたハンドソープが昨年末あたりから、某局のトイレに置かれるようになった。「ビオレ ガード薬用ジェルハンドソープ」である。
白ボトルにブルーやグリーンの文字をあしらった、パッと見、洗口液や液体ハミガキのようなボトルは、いかにも“薬用”というイメージ。もっとも太字で記された「GUARD」もインパクト大である。ホームページを検索してみたところ、「導入先企業様一覧」という項があり、「多くのビジネスマンにご活用いただいています」と。出版社や印刷会社から食品会社、不動産会社など、有名どころが並んでいたが、某局の名前は記されていなかった。
「ビオレ」というと、家庭向けのイメージが強いが、こうして導入先企業名をわざわざ公表している同品は「プロ仕様」ということで売っているようだ。説明には「プロガード処方」との文言もあり、「ジェルが、ツメのキワやシワの間まで速攻アプローチ」ともある。汚れやバイ菌をしっかり洗い落としつつ、スッとした洗い心地や、“ユーカリハーブの香り”という特徴は、ビオレらしいと言えよう。
仕事柄、「絶対に、しわがれ声にはなれない」と言い、「近年、風邪をひいた記憶がない」と胸を張る局アナたちも、「やっぱり、手洗い・うがいがいちばん大事」と。テレビ局にも選ばれた「ビオレ ガード薬用ジェルハンドソープ」。買いだと思う。
※週刊朝日 2019年2月8日号