「まだ使用期間が1年に満たず、副作用や耐性ウイルスについては検討中。日本小児科学会でも推奨していません」(大川さん)
神戸大学大学院医学研究科・感染治療学分野教授の岩田健太郎医師も慎重だ。
「ゾフルーザは、タミフルと治療効果が今のところ変わりませんから、“特効薬”ではありません。小児についてはタミフルと引き分けかどうかのデータすらありません」(岩田さん)
大人でも基礎疾患がある人や抗うつ薬を服用している人などは、まだ安全性を示すデータがないため、岩田さんはすすめていない。
「一般論として、『新薬は2年寝かせろ』と言われます。新しい薬だから良いというのは誤解で、数十年使用されている古い薬のほうが、安全性に対する情報の蓄積があるのです」(同)
結局、医師らが口をそろえるのは予防接種が最大の防御だということ。しかし、今からでも間に合うのだろうか?
「ワクチンは効くまでに2週間かかります。2月、3月まで流行は続く可能性があるので、まだ手遅れではありません」(同)
来シーズンは、早めに手を打っておきたい。(本誌・緒方麦、浅井秀樹、岩下明日香/今中洋介)
※週刊朝日 2019年2月8日号