『ザ・ハウス・ザット・トレーン・ビルト:ザ・ストーリー・オブ・インパルス・レコーズ』アシュリー・カーン著
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 黒とオレンジ。

 漆黒と炎。

 誇りと激情。

 インパルス・レコードは、1961年から1976まで、終始一貫して、そのシンボル・カラーを誇らかにまとい、感嘆符を高々と揚げて、鮮やかな色彩の見開きジャケットとともに優れたアルバムを制作し、刺激的でスケールの大きな即興音楽の世界へと、さまざまな世代のリスナーを惹きつけた。

 そのグルーヴにおけるサウンドは、60年代の時代精神に満ち溢れ、音楽的な実験と当時の政治にまつわる激しい憤りによって激しくスウィングした。

 インパルス・レーベルは、首尾よく時流に乗った多くの人々にとって、前途にあるサウンドや政治に歩調を合わせ、また時にはそれを予言する、時代を先取りした“俊敏さ”の代名詞だった。

●本書に対する反響

「アシュリー・カーンがまたしても、ジャズにとって大きな意味をもつ題材に彼の情熱、緻密さ、文章力を注入している。インパルス・レコードの興味深い内幕は、この歴史上重要なレーベルによって作られたすばらしい音楽を反響させる」
ラヴィ・コルトレーン(ジャズ・サックス奏者)

「カーンはリズムを乱すことなく、純粋芸術と大衆文化のバランスを保っている」
ラリー・ブラメンフィールド(エンターテインメント・ウィークリー・コム)

「ジャズ・コレクションに特に加える価値のある一冊」
ジェイ・トラークテンバーグ(オースティン・クロニクル)

「インパルス・レコードは1960年代に、途方もない夢を実現した。すなわち、ジャズの未来と冒険に命運を賭けたメジャー・レーベルだ。アシュリー・カーンは、ジョン・コルトレーンの壮大にして熱情的なソロとともに、あの黒とオレンジからなるロゴの背後の果敢なミュージシャンや夢想的なプロデューサーに生命を吹き込み、ジャズ史上意義のあるアルバムをつぶさに検証する」
デイヴィッド・フリック(ローリングストーン誌)

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