放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「仮面ライダーのビジネス力」について。
【平成ライダーシリーズを紹介する仮面ライダー展の様子はこちら】
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仮面ライダーのビジネス力に驚いております。うちのテレビはネットにつながっているスマートテレビ。息子は現在3歳半。20作目を迎えた平成仮面ライダーシリーズは、現在「仮面ライダージオウ」という時空を行ったり来たりの仮面ライダーをやっています。息子はYouTubeで過去の仮面ライダーを見たのをきっかけに、現在毎週日曜に放送されているジオウを録画で見るようになりました。YouTubeでアップされている過去の仮面ライダーも、違法アップではなく、映画の公開にあわせて、東映が過去の平成ライダーシリーズを1話と2話、公式に無料アップしているのです。
で、仮面ライダージオウは変身ベルトがジクウドライバーといって、そこにライドウォッチというものを差し込むと変身。過去の仮面ライダーが出てくると、その過去のライダーのライドウォッチを差し込むことにより、ジオウと過去ライダーの合体バージョンに変身できるのです。勘の良い方ならもうおわかりでしょう。今回が平成仮面ライダー20作目。ということは、過去19人の平成ライダーがいて、過去19人分のライドウォッチがあり、すべてがおもちゃになり発売されているのです。
僕がクリスマスに買ってあげた時は、ジクウドライバーにライドウォッチが二つついてて、8千円ちょい。そこにプラスして、他のライダーのライドウォッチを二つ買って、1万円を超えました。これ、全部揃えようとすると、3万円を超えます。たまりません。
息子と一緒にYouTubeで過去の仮面ライダーを見ていて気づいたことがあります。息子は、YouTubeで過去の仮面ライダーを何度も見てます。僕が勝手に「過去の」と書いてますが、YouTubeにアップされて、息子は何度も何度も見てるので、どれが過去とかないんですよね。すべてが今。そうです。こうやってネットで公開することによって、過去がなくなる。