不況で暗い時代でも、感動を与えてくれたのがスポーツ。野球では、野茂英雄や松井秀喜、イチローらが米大リーグで実績をあげた。五輪のフィギュアスケートや女子マラソン、柔道や水泳などでは、金メダルが量産された。

 ほかにも平成に人気が高まったのがサッカー。93年にJリーグが始まり、同年はW杯出場を目前で逃す「ドーハの悲劇」があった。その悔しさをバネに、その後は6回連続でW杯に出場し、うち3回はベスト16まで進出した。

 Jリーグの草創期を支えいまも現役なのが「キング・カズ」こと三浦知良。カズに続いて中田英寿、本田圭佑とスター選手は着実に生まれている。

 中田と交友があるノンフィクション・ライターの金子達仁さんは、この30年で日本人のメンタルが「劇的」に変わったという。

「イチローや中田の活躍で、日本人でもやれる、世界一になれると知った。ガラスの天井が破られ、22年のカタールで日本がW杯優勝するのも夢ではない」

(本誌取材班)

週刊朝日  2019年1月4‐11日合併号