この肌着は、糸をわた状に戻してふんわりした質感の素材「スマイルコットン」でできている。主な商品は肌側綿100%で、汗を吸収して通気性もよい。通常品だとゴムでしめつける部分は、パワーネットという伸縮素材でおさえる仕立て。肌にストレスをできるだけ与えないよう、縫い目とタグを外側にするなど細部にこだわる。肌の悩みを持つ患者らの声をもとに、10年以上も改良を重ねたという。

 すねや腰回りの肌荒れとともに、多くの人が悩んでいるのが手荒れ、手湿疹だろう。

 仕事中などに人目につきやすい部分だが、家事で水を触る機会も多く、治りにくい。悪化すると、ひび割れやあかぎれが起き、亀裂が入ってぱっくり開いた割れ目から血が出ることも。こうなると、治るまでに約1カ月半はかかる。

 ケアを心がけているつもりでも、手荒れスパイラルに陥る人がいるはずだ。野村院長は「洗濯物をたたんだり、紙を触ったりするだけで手荒れを起こす人もいます。何が原因となって荒れているかに早く気づかないと、薬をつけても繰り返します」と話す。暖房で乾燥したオフィス内で、パソコンのキーボードに触るだけで荒れる人もいる。水や紙を触る機会の多い人は手袋をして作業すると手荒れを繰り返しにくいという。

 また、冬場に気をつけたいのが手の消毒。ノロウイルスやインフルエンザ対策として、洗面所や建物の入り口で消毒用アルコールを手にする機会は多い。衛生面ではプラスな一方で、皮膚の脂を落としてしまうため、消毒後にはしっかりと保湿を心がけたい。

 肌荒れ予防のため、ハンドクリームはこまめに塗ろう。日中はべとつかないローションやさらっとしたタイプ。夜寝る前には、油性分の多いクリームをたっぷり塗る。手袋をつけて寝るのも効果的だ。手荒れの症状に応じて、使い分けも考えたい。水仕事の前に塗って肌を守るクリームもあるので、荒れやすい人は先塗りで防ごう。
 
(本誌・岩下明日香)

週刊朝日  2019年1月4‐11日合併号より抜粋