

「利用者の皆さまにはご迷惑をおかけしました」
サービス開始早々、利用者が急増しているソフトバンクとヤフーの合弁会社のQR決済サービス「PayPay(ペイペイ)」。初日の4日、システム障害が2度発生し、8日にもメンテナンスのためにシステムを一時停止させた。想像以上に、大規模キャンペーン“100億円あげちゃうキャンペーン”の反響が大きかったようだ。
「新規登録するだけで、タダで500円をもらえるので、とりあえず入れてみようと思ったのでしょう」
と話すのは消費生活評論家の岩田昭男さんだ。ペイペイが新規ユーザーを獲得するために実施している大型キャンペーンは、まず登録時に500円分がチャージされる。
これだけではない。対応する店舗でペイペイを使って支払いすれば、月最大5万円分まで料金の20%分が還元される。
QR決済は、QRコードを利用したアプリで、買い物の支払いを済ますサービスだ。実際の決済は大まかに、お金をアプリ内の個人アカウントにチャージして払う、クレジットカードを登録して使用するという二つ。金をチャージするには、コンビニで一定額を入れる、銀行口座を登録して連結させる方法がある。
現金を使用しない点ではクレジットカードと同じだが、支払いでのサイン記入やパスワード入力などの煩わしさがないというメリットがある。
「QR決済は、消費税増税時の5%還元の対象。追い風が吹いています」(岩田さん)
インバウンド消費の増加に伴い、中国のQR決済サービス「Alipay(アリペイ)」などがコンビニや百貨店で導入されているが、あくまで中国人観光客向け。日本でも政府が本格的に“キャッシュレス社会”を推進させようとしている。QR決済の普及はその流れの中にあるのだ。
話題沸騰中のペイペイだが、この分野では後発組。だからこそ、大規模キャンペーンで新規ユーザー獲得と囲い込みを狙っているのだ。LINE Pay(ラインペイ)、楽天Pay(楽天ペイ)、Origami Pay(オリガミペイ)、d払いなどが先行。それぞれ独自のキャンペーンを展開している。