僕が構成をしていた「ほこ×たて」や、過去、ヤラセが発覚した番組の「ヤラセ」と「イッテQ」のことを、ひとくくりに「ヤラセ」とするのは違うのではないかと思う。
猿の首を糸で引っ張ってたことを知ったら、視聴者は怒ると思う。だが、「イッテQ」のそれは、違うんじゃないかと思うんです。
80年代、90年代許されていたことが今は許されない。やはり、存在しないものを「ある」と言うのは今の時代はダメなのだろう。
だけど、大切なのは、あの番組はとてもおもしろいこと。そしてテレビ界において最後の砦だと思う。番組がホームラン級のヒットをすることって、出演者とスタッフの努力だけじゃなく、そこに時代の空気感とか、運とか、神様が手助けしてくれないとホームランにはならない。
これからのテレビ界には、おもしろいものは生まれたとしても、「視聴率」という呪縛の中で、子供から大人まで、全世代が楽しめるという結果を出せるものは、出てこないのではないかと思う。だからこそ、「イッテQ」には、今回のことを踏まえて、さらにおもしろく変化と進化をしていってほしい。
※週刊朝日 2018年12月14日号