漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「あなたには渡さない」(テレビ朝日系 土曜23:15~)をウォッチした。
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「私、ご主人を頂きにまいりました」
開始5分くらいで、このセリフだ。何かと急すぎるこのドラマ。平凡な主婦だった通子(木村佳乃)の前で、いきなり旦那頂き宣言をする女・多衣(水野美紀)。
なんせ木村といえば、「僕のヤバイ妻」(フジテレビ系)。浮気夫と、互いに殺意を持ちつつ、毒入りアクアパッツァに毒入りアヒージョ、毒入りスペアリブなどをふるまう毒毒晩餐会は、最高に狂った名場面だった。
一方、水野は「奪い愛、冬」(テレビ朝日系)で、夫の浮気現場を押さえるために、クローゼットの中に潜んで、バーン! 「ここにいるよ~! 見~てたよ~!」と、瞳孔全開で飛び出して来る。
二人とも、頭のネジがはずれまくった妻をやらせりゃ三国一。つまりこれは、ヤバイvs.ヤバイ。とんだ飛び道具対決なのだ。
というわけで、水野は「(木村の夫を)1億円払ってでも、手に入れたい」などと言い放つ。すると木村は、水野と夫の婚姻届を用意して、「6千万円で買ってください」と、迫る。
いきなり4千万もディスカウントされて、テレホンショッピングもびっくり。だいたい1億~6千万の価格帯の夫って誰なんだよ!て、思うでしょ?