津川雅彦さんと朝丘雪路さんの遺影(撮影/大塚淳史)
津川雅彦さんと朝丘雪路さんの遺影(撮影/大塚淳史)
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 今年8月に亡くなった津川雅彦さん(享年78)と、同じく4月に亡くなった妻の朝丘雪路さん(享年82)の「合同葬お別れの会」が21日、青山葬儀所(東京都)で行われた。名優2人を偲んで、約1100人がお別れの挨拶に訪れた。

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 生前から「お葬式はお祭りだ」と話し、華やかな式典を望んでいた津川さんのご意向に沿って、式場にはトルコキキョウやカーネーションなどを中心に、ピンクや紫を含めた鮮やかな花々が約4000本用意された。津川さんは黒いタキシード、朝丘さんは薄ピンク色の和服姿で、笑顔の写真が掲げられた。

 式典では、それぞれの友人を代表して、3人が「お別れの言葉」を送った。

 俳優の奥田瑛二さんは、津川さんの訃報を聞いた時について、「津川さんの携帯に連絡したら、通じましてね。『なに? 亡くなってないんだ」と一瞬、頭をよぎりました。そしたら、『もしもし』というまゆちゃん(長女の真由子さん)の声が聞こえました。あちゃー、やっぱりそうか」と実感したと明かした。

 歌手の五木ひろしさんは、40年以上前の劇場公演で、津川さんの叔父・マキノ雅弘さんが演出、津川さんがその助手、朝丘さんが相手役だったと話し、「すばらしいファミリーで作品を作っていただいて、まだ右も左もお芝居のことはわからない私に、細かくアドバイスをしていただきました」と振り返った。

 俳優の黒柳徹子さんは、津川さんの老け役に期待していたと話し、「もっともっと年を取った雅彦ちゃんの芝居が見たかった。長い間、友達でいてくれてありがとう」と別れを惜しんだ。

 喪主の真由子さんは「父と母の人生の舞台の千秋楽に、大向こうと拍手で見送ってあげたい」と話し、最後は参列者の「津川!」「朝丘!」の大向こうと盛大な拍手で式典が締めくくられた。

 最初に献花した安倍晋三首相は、第一次政権の終了後に初めて津川さんと食事した時に、「がんばってもう一回やんなよ」とエールを送られたと話した。

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