なぜこんなにもすんなりと、イケてるムロをのみこめるのか。日曜日のドラマのセリフにハッとなる。
長髪ヅラの椋木先生いわく「(自分は)目、鼻、口とパーツパーツは色男として、巷で評判です。ただトータルすると、このホクロの効果も相まって40点フェイス」。「ただ」と、続ける。
「パーツパーツは色男ですから、面食い女子には対応可能なメンです!」
パーツイケメン・ムロツヨシ。恋愛ドラマにも対応可能。金曜日に、それを思い知らされる。
親に捨てられたという、真司の複雑な生い立ち、小説家として売れずに、引っ越しのバイトに精を出す姿も、どこかムロ本人にリンクしていて、もうホクロが哀愁の句読点。
若年性アルツハイマーのヒロインとの恋物語という、ある意味ゴールがはっきりしているこのドラマの中で、ムロパーツが一番のサプライズだ。そして醸し出す、噛めば噛むほどいいスルメ感。
でもね、どんなにイケちらかしても、いつかどこかで気持ちよく滑りまくっていてほしい。日曜日と金曜日あってのムロなんだから。
※週刊朝日 2018年11月30日号