漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「下町ロケット」(TBS系 日曜21:00~)をウォッチした。
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画面いっぱいの顔面で圧力を高め、耐えて耐えて倍返しする季節が、またやってまいりました。
あまりにカメラが寄りすぎて、主人公の佃(阿部寛)の眉毛のアップから場面が始まったりする。次は、おそらく毛穴からだ。
下町の部品工場が、数多(あまた)の困難を乗り越えながら、そのプライドにかけて大企業と渡りあうというテッパンのストーリー。
もう結末わかってるんだもの。絶対めでたしめでたしだから。倒産、夜逃げエンドとかないから。そんなわかりきったドラマの、どこに目新しさを出すかって、そりゃもう配役なのだ。
なんせ3話のゲスト悪役、佃製作所の信用調査にやってくる企業審査のエキスパート・安本役が、ピコ太郎こと古坂大魔王。
「バカばっかだな~!」と、今にも電子音で踊り出しそうなアクションで、ピコ太郎が阿部ちゃんたち町工場メンバーを罵倒する。
ピコ太郎、阿部ちゃん、ピコ太郎、時々今野浩喜(彼も芸人。経理部係長役)というカメラワーク。どうにもピコ太郎がアクセントで、目が離せない。これが下町マジック?