私立探偵として、普段は毛利探偵事務所の下にある喫茶ポアロでバイトをしている。コナンが追う黒ずくめの組織の一員「バーボン」や、公安警察の潜入捜査官「降谷零」でもあり、合わせて三つの顔がある。スポーツはもちろん運転から料理まで万能という設定で、声優はベテランの古谷徹さん。「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役といえば分かるだろう。どこをとっても裏切らない“イケメン”なキャラクターに、多くの女性がとりこになった。

 特にSNSでの盛り上がりはすごかった。魅力にはまってしまったファンの中には、自らを「安室の女」と称する人が現れた。「安室さんを“100億の男”にしよう」と、興行収入を上げるべく何度も映画館に通う人が続出した。

 実は記者も2回見ている。「安室の女」のレベルにまでは到達できていないが、そうなる気持ちはわかる。敵か味方かわからぬまま事件の謎に絡み、主人公のコナンを翻弄(ほんろう)する。「いやー、まいった」と圧倒される存在感なのだ。

 女性ファンを巻き込み社会現象ともなった、『名探偵コナン ゼロの執行人』。10月3日にはDVD&ブルーレイが発売された。18日には単行本の95巻に加え、スピンオフ作品の『名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)』『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』の最新刊の計3冊が、同時発売された。

 安室ちゃんが引退コンサートで日本中を席巻した今年。もう一人の安室の勢いは、年末にかけても止まりそうにない。(本誌・緒方麦)

※週刊朝日オンライン限定記事

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