京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師
京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師
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 飛行機の中で乗客の具合が急に悪くなったときに駆けつける医師。多くの人のイメージでは、それは内科医かもしれません。同じ医師であっても、専門外の医師の場合、そういったときに対処できるのか? 京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、自身の体験をもとに語ります。

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「この中にお医者さんはいらっしゃいますか?」

 ドラマや映画で有名なドクターコール。私は実際にこのドクターコールに何度も遭遇したことがあります。今回はドクターコールを聞いたときの皮膚科医の対応についてお話ししたいと思います。

 以前は「皮膚科医も医学部を出てるの?」と聞かれた時代がありました。また、「皮膚科の先生も手術をするの?」と質問されることもあります。私たち皮膚科医は内科、外科、小児科や産婦人科など他科の医師と同じように医学部を卒業し、医師としての研修を積んでいます。全身管理を含むプライマリーケア、つまり、一般的な医師としての技術の習得を目的とした臨床研修制度(スーパーローテーション)が2004年4月から義務化され、全ての科の医師は内科・外科といったいわゆるメジャー科での修業をしています。

 市中病院の皮膚科や開業医ではアトピー性皮膚炎や虫刺され、水虫などよく知られた病気を診ることが多いですが、大学病院となると専門性は高くなります。私が専門としている皮膚がんでは手術だけでなく抗がん剤も使います。なかでもオプジーボ(ニボルマブ)を始めとする免疫チェックポイント阻害剤はさまざまな副作用が出現するため、全身管理ができる医者が必要となります。つまり、皮膚科医でも内科的な疾患に対処する機会が多いのです。

 私が最初にドクターコールを経験したのは20代後半。ある総合病院でのICU(集中治療室)研修を終えた後の東海道新幹線の中でした。新横浜から名古屋に向かうのぞみ号で初めてこのアナウンスを聞いたとき、私の全身に緊張が走りました。多くの乗客は寝たままで、周辺を見回しても誰も立ち上がろうとはしません。足早に通路を横切る車掌。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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