大阪府警富田林署から樋田淳也容疑者(30)が逃走して、2カ月近くが経過したが、今も行方がわからない。大阪府警は、大阪の駅などに樋田容疑者の等身大ポスターやパネルを設置して、市民からの情報を募っている。
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そして、大阪府警のOB有志が資金を出し合って有力な情報提供者には、200万円の懸賞金を出すことが発表された。また、大阪市生野区の民間会社も懸賞金300万円を出すと表明している。
「懸賞金を出すとマスコミ報道があった後、確かに情報は急に増えましたね。中には、懸賞金は本当にもらえるんでしょうか? という問い合わせもある。これも関西人の気質なのか……」と捜査関係者は苦笑する。
だが、捜査の現場では困ったことが起きているという。これまで、樋田容疑者が現れたとされる、大阪府松原市の実家近くやひったくりの現場となった大阪市内などで、懸賞金目当ての、にわか探偵団のような人が増えたというのだ。
「先日も、制服の警官がパトロールしていると、夜、不審な動きをしている男がいた。声をかけ追いかけると逃げ出す。なんとか、捕まえて話を聞いたら『懸賞金が出るというので、樋田容疑者がいないか探していた』というのです。こんなことが、大阪府内、結構あるんですよ。探してくれるのは、ありがたいが、挙動不審だとこちらも対応せねばならず、そのたびに、樋田容疑者かと無線が飛び交い緊張を強いられます。まったく樋田容疑者と関係がないとなれば、却って仕事が増えてしまう」と府内の所轄署幹部はため息をつく。
大阪の繁華街、なんばの一角には樋田容疑者の等身大ポスターが貼られている。その前で若い女の子3人が記念撮影のように写真を撮り、こう話していた。
「このポスターの前で写真撮ってインスタアップするのがええねん。ポスターがたくさんあって、樋田容疑者があちこちいるみたいやわ。なんですぐ捕まらんのやろうか」
繁華街に署を構える所轄幹部がこう打ち明ける。