自分の好きな分野で周囲より劣っていると「負けたくない」という思いが出てくる。ここは頑張らねばという強い思いが、生まれてくる(※写真はイメージです)
自分の好きな分野で周囲より劣っていると「負けたくない」という思いが出てくる。ここは頑張らねばという強い思いが、生まれてくる(※写真はイメージです)
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 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や4歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。

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 以前、「漫画家は早生まれの人が多いのではないか」という記事が話題になりました。漫画家約4500人を対象にして調べると、多少ではありますが早生まれの人数のほうが多いという結果が出たのです。

 たとえば、日本で知らない人はいないであろう大人気漫画『ワンピース』の作者、尾田栄一郎さんの誕生日は1月1日です。同じく、海外で大人気の忍者漫画『NARUTO』を描いた岸本斉史さんの誕生日は11月8日、私がバイブルとしている漫画『SLAM DUNK』を描いた井上雄彦さんは1月12日生まれで、学年の中では決して早い時期に生まれたとはいえません。

 その理由として、「運動が苦手だったから、絵をかくような、室内でできる能力が伸びるのだろう」という仮説がたてられました(もちろん、漫画が好きで漫画家になった人も多いかと思いますが)。

■カナダでは1月生まれが最も早く、遅い月は12月

 前のコラムに、カナダの国技であるアイスホッケーの選手は、同学年の中で早い月に生まれた人のほうが、遅い時期に生まれた人よりもずっと多い、と書きました。日本では、同学年で最も生まれが早い月は4月、遅い月は3月になりますが、カナダでは、1月が最も生まれが早く、遅い月は12月と設定されています。

 そしてカナダのアイスホッケー選手の生まれ月の調査をしてみると、40%が1月から3月生まれで占められ、10月から12月生まれはたった10%しかいなかったのです。

 これは、あまりに早い時期から、子どもの運動能力の才能を分けてしまうせいだと分析されています。同学年で生まれが早い子は、体が大きく動きも速いので、特別なコースに入れられることが多く、生まれが遅い子は体も小さく動きもまだまだ鈍いので、少し下のチームに入れられるケースが多くなります。

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