CPAPのほかにもマウスピースをつける方法や、へんとう摘出手術などが適応となることもある。酒やたばこなど、生活習慣の見直しも重要だ。
口の周りや舌の筋肉を鍛え、気道をふさぎにくくする方法もある。大場院長が勧めるのが、「いびき体操」だ。
「米国の医学誌に投稿され、この体操を行うことでいびきやSASを軽減する効果があると認められています」(大場院長)
舌を前に出す、舌を回転させる、口をすぼめるなど、8ステップからなっている。1回3セットからで、1日3回ほどやる。やりすぎて痛めないように、無理せず、できるだけゆっくりやる。やり方は、下記を参考に。(本誌・岩下明日香)
【チェックリスト】
いびき以外に2つ当てはまればSASかも!
□ 日中、強い眠気がある
□ 夜間頻尿が何度もある
□ 朝起きると頭痛がある
□ 起床時に口が乾燥している
□ あごが小さく、面長の顔
□ 体重が増えた
□ 高血圧、糖尿病などの生活習慣病がある
御茶ノ水呼吸ケアクリニックの村田朗院長監修
【いびき体操】
(1)口を自然に開け、ゆっくり2回ほど舌の先をぐっと突き出す
(2)舌の先を口の中に押し付け、大きく円を描くように舌を回し、逆回しで戻す
(3)上あごに舌を押しつけるように、2回ほど舌を持ち上げる
(4)舌の裏側を返すように意識して、2回ほど舌をそり返す
(5)舌をぐっと下げ、口蓋垂(のどちんこ)を上げる。鏡を見ながら、あくびをするときの要領で動かすと上がるのがわかる
(6)頬にへこみができるくらい強く、口をぎゅっと2回すぼめる
(7)口に指を入れ、指をくわえるように、口をぎゅっとすぼめる。左右2回ずつ
(8)口を少し開け、左右2回ずつ口の端に力を入れてつり上げるようにする
◆注意事項
・できるだけゆっくり行い、無理をしない
・1回3セットから、1日3回を朝昼晩
・半年から1年くらいは続ける
・口は大きく開けなくてもいい
・やりすぎて舌やあごを痛めないように
・神経に異常のある人や、口腔内・あごに異常がある人は、医師の指導のもとで行う
・あくまでもいびき・睡眠時無呼吸症候群の治療を補助するものです
※慶友銀座クリニックの大場俊彦院長の『いびき女子、卒業!』(主婦の友社)をもとに作成。
※週刊朝日2018年9月28日号より抜粋