鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ/放送作家。1972年生まれ。高校時代に放送作家を志し、19歳で放送作家デビュー。多数の人気バラエティーの構成を手掛けるほか、映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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さくらももこ氏の自画像
さくらももこ氏の自画像

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。先日亡くなった漫画家・さくらももこさんとの思い出を語る。

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 漫画家という仕事。一人机に向かって物語を考え絵を描いていく。とてつもなくクリエイティブでとてつもなく孤独でとてつもなくしんどい仕事だと思います。

 さくらももこ先生。あれは2005年。僕と妻(森三中・大島)が結婚して3年ほどたったときに、妻の所属する吉本興業に一通の手紙が届きました。差出人のところに「さくらももこ」と書いてありました。中を開くと、妻がテレビでさくら先生の書いたエッセー本を紹介したことのお礼と、芸人としての妻のことを褒めてくれている長文の手紙。そして電話番号も書いてありました。妻は当然言います、「本物かな?」と。妻がおそるおそる電話すると、本物でした。それをきっかけに、僕ら家族をかわいがってくれまして。食事に行ったり、自宅に招いてくれたり、贈り物をくれたり、子供が生まれてからも一緒に遊んでくれたり。

 さくら先生が妻のことを褒めてくれたことは、妻にとって大きな自信になったと思います。

 さくら先生といえば「ちびまる子ちゃん」が一番有名かと思いますが、実は、すごく毒の強い漫画もあり、というか、それが本当のさくら節のような気がします。ちびまる子ちゃんだって、実は毒が強い部分も結構あるし。さくらももこ先生自身も、とてもおもしろく、毒も強い。だけどポップでかわいらしい。まさにさくら先生の漫画そのもの。正直、心からその生き方を尊敬できる先輩って少ないですが、さくら先生の生き方・生き様、格好いいなと本当に思えました。

 話変わって、僕は映画「ONE PIECE FILM Z」の脚本をやらせてもらってから、1年に一度、尾田栄一郎さんにお会いしたりします。ご自宅でのたこ焼きパーティーに呼んでくれたりして。その尾田さんの家に行ったときに、さくら先生もいて。尾田さんとさくら先生が二人で話してる姿を見て、涙が出そうになりました。国民的漫画を生み出した人が目の前でしゃべってるんだもん。

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