昇太「自分のやっていることが一番心配で、人のことはあんまり考えてなかったと思います。やっぱり、協会のことはすごく考えていてくれて、歌丸師匠があまり表に出られないので早く会長の座をとは言っていた。協会の顔なんで早くとは言ってたんですね」

小遊三「それは言ってたんじゃなくて、言ってたようでしょう。確証がないわけです。私は小遊三さんにお願いしたいということを聞いてます。こないだの総会で、歌丸師匠の体調が良くないので、私が会長代行を来年の総会の前日までと、そのむねを歌丸師匠にも事務局長を通じて報告してあります」

──代行は取れますね。

小遊三「いやいや、取れない、取らないですよ。別に誰が代行ということがなくても、務まる業界であります。どうかご心配なく。みんなの力で。そのために理事会というものがあり、そうそうたるメンバーが熱い意見を戦わせております。みなさんの総意で進めて何の問題もないと思います」

米助「今月の日曜日、三越落語会で私が中トリで、歌丸師匠がトリを務める予定ではありました」

──落語の未来をどのようにお考えですか。

米助「ほんとに歌丸師匠は動員力があったので、お亡くなりになって、落語界のピンチ。こういう時こそ開き直って、ピンチをチャンスに変える。落語芸術協会一丸になって、いかにお客さんに来てもらえるか」

小遊三「お客さんにどこへ来てもらいたいかというと、寄席の方へ来ていただくということですので、よろしくお願いします」

歌春「空前の落語ブームというくらい、寄席にはお客が増えております。また来ようというリピーターを増やすのが私たちの一番の使命だと思っています」

昇太「歌丸師匠は、落語を壊さないでくださいねということをおっしゃっていた。今、古典落語に新しいギャグを入れるというのが流行っている。それについて憂えていたんじゃないかと思うんですね。それぞれがそれぞれの考えで落語をやっている。いろんなタイプの落語家が出ることで、いま、落語がいい感じになっている。新しいギャグを入れずに古典落語をやるんだという方がいなくなったことは損失ではあるが、ますます後に続く者ががんばっていかなきゃいけないと思います」

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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