女優の朝丘雪路さん(c)朝日新聞社
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 輝かしい昭和の時代を築いた女優がまた一人、この世を去った。

 女優で歌手の朝丘雪路さんが4月27日に死去していたことが19日、わかった。アルツハイマー型認知症を患い、療養していたという。82歳だった。

 1960年代後半に、深夜の生放送の草分け的情報番組「11PM」のアシスタント役を務めた朝丘さん。司会の大橋巨泉さんとの軽妙な掛け合いは話題となり、なかでも大橋さんがからかって命名した「ボインちゃん」は、当時の流行語にもなった。その後も女優やバラエティ番組などで幅広く活躍。夫で俳優の津川雅彦さんとのおしどり夫婦ぶりは有名で、おっとりしたキャラながら美しい立ち居振る舞いが広く人気を集めた。

 実は、朝丘さんが患っていたアルツハイマー型認知症が誘引する死亡率は、近年、目立っている。厚生労働省「人口動態統計(確定数)の概況」によると、2015年に女性の死亡順位で「アルツハイマー病」が上位10位に初めて入ったのだ。認知症の6割を占めるとされるこの病に特効薬はなく、根本的な治療薬の開発は遅々として進んでいない。

 アルツハイマー型の原因は遺伝や日常の生活習慣など複数あるとされる。いまだ完全な解明には至っていないが、週刊朝日ムック『すべてがわかる認知症2017』では、歯周病とアルツハイマー病の関係に着目。ここからは、同ムックから「歯」と「認知症」について解説する。

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 成人の8割以上がかかっているといわれる歯周病。それが認知症と深くかかわっている可能性も指摘されています。

 これまでにも、アルツハイマー型認知症の患者の脳から歯周病菌が見つかるなど、その関連性が指摘されていました。17年5月、日本大学歯学部の落合邦康特任教授らの研究チームは、歯周病とアルツハイマー型認知症との関連性を示唆する、新たな動物実験結果を発表しました。

 認知症の中でもっとも多いアルツハイマー型認知症。その原因はまだ完全には解明されていませんが、体内で発生する酸化ストレスによって、細胞や組織が悪影響を受けるのではないかという仮説があります。落合特任教授らのチームは、歯周病の原因菌によってつくられる「酪酸(らくさん)」という物質を健康なラットの歯肉に注射。6時間後に調べると、脳内の各部位で酸化ストレスが上昇し、なかでも記憶をつかさどる「海馬」でのストレスが顕著だったそうです。

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