○歩き始めは、つま先を少しだけ(こぶしが横向きに一つ入るほど)外側に向ける


○両ひざの内側が軽く触れる程度に、擦り合わせるように歩く
○腕は前でなく後ろ斜め40度ほどを意識して振る(腕を後ろに振りにくい、横幅の広すぎるリュックは避けたほうがベター)

 一方で、以下のような点には気をつけたい。

○視線を下に落として、うつむき加減になる
背、がに股、反り腰
○つま先から着地する

 記者も試しに、間違った歩き方をしてみた。つま先から着地するように歩くと、ひざに負担がかかり、体が前後するように大きく揺れた。櫻田さんはこう話す。

「足首の捻挫や骨折を防ぐためにも、つま先を10センチ上げること。足首と足の甲、ふくらはぎも鍛えられます。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻す働きをしています。歩くことで、しっかりと鍛えましょう」

 日常生活でやってはいけないポーズも聞いた。

「絶対にいけないのは、猫背です。横座り(お姉さん座り)や、同じ側ばかりでカバンを持つのもよくない。ほおづえもNG。重い荷物を持つときは背中を曲げないこと。本やスマホを見る位置は目線の高さ、パソコンの画面もうつむいて見るのでなく、目線が高い位置になるように」

 櫻田さんは特別な運動をしていないというが、引き締まった体だ。「正しい歩き方を普段から実践しているだけ。おなかに力を入れた正しい姿勢でいると、食べすぎも防げます」

 歩くことは、生きること。歩き方を正せば、人生もきっと変わる。櫻田さんの美姿勢を見て、そんな気がした。

 最後に、東京都千代田区の複合型スポーツ施設「IWA ACADEMY」を訪ねた。この施設は、健康寿命を延ばすエクササイズ「腕の関節を鍛える体操」(※)を開発した(※手をパーにして、すべての指の間を思いきり広げる。手の甲をひじのほうに近づけるようにおこし、ひじを伸ばす)。シニアが簡単にできる内容で、映像は今後、全国にある薬局で処方薬の待ち時間中に見られるという。制作に携わった田邊大吾さんはこう話す。

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