※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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「慢性的に膝が痛い」「歩くと膝が痛い」といった膝の痛みの悩みを抱える人は多い。膝が痛く、日常生活もままならないこともあるだろう。医療従事者を中心とした読者に向けてメルマガを発行している、理学療法士の笹川大瑛さんによると、膝の痛みには関節を安定させることで効果があるのだという。笹川さんの著書『関トレ 関節トレーニングで強い体をつくる』(朝日新聞出版)から、その内容を一部紹介する。

【筋トレより関トレ! 内転筋の関トレ方法はこちら】

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 膝関節を安定させる関トレ法を紹介します。この関トレは、「変形性膝関節症」「慢性的に膝が痛い」「歩くと膝が痛い」「歩くスピードが遅くなった」「腰を反らすと痛い」「脚を引き締めたい」…といった症状に効果的です。


内側ハムストリングスの関トレ
内側ハムストリングスの関トレ
内転筋の関トレ
内転筋の関トレ


 正しいフォームと合わせてNGポーズも紹介しています。NGポーズにならないよう気を付けましょう。NGポーズでおこなうと狙った筋肉とは別の筋肉が働いてしまいます。間違った方法を何百回やっても進歩はありません。

 膝関節は太腿の骨とすねの骨、膝のお皿でできています。大腿骨とすねの骨は前後左右とも靱帯でしっかりつながっています。その間には半月板という軟骨が入っており、力を分散・吸収するクッションの役目を果たしています。

 この半月板や靱帯、筋肉の動きによって歩く、しゃがむ、正座をするといった動作がスムーズにできるのです。

■内側ハムストリングス・内転筋の働きとは?

 内側ハムストリングスは、腸腰筋と一緒に働く筋肉で、太腿の裏側の筋肉の内側にあります。半腱様筋、半膜様筋から構成されており、膝を曲げたり股関節を伸ばしたりするときに使われます。

 歩き始めや走り始めに強く働き、前方へ早く移動できるようにしてくれます。スプリンターは腸腰筋と内側ハムストリングスが非常に発達しており、多裂筋が弱くて腸腰筋が硬いと肉離れしやすくなります。内転筋は細かく言うと、大内転筋、長・短内転筋、 薄筋、恥骨筋がありますが、ここではまとめて「内転筋」と呼ぶことにします。

 太腿の内側の筋肉で左右の重心移動に強く関係します。 ヨタヨタして動きが鈍い(左右の重心移動が大きい)人はこの筋肉がうまく働いていません。そして、多裂筋と同時に働く筋肉なので、多裂筋を鍛えないと立っているときでさえ使わない筋肉です。

◎笹川大瑛/ささかわ・ひろひで
理学療法士。運動理論の研究の傍ら、運動・トレーニング、姿勢改善のセミナーを開催。全国より医療従事者が集まるなど、支持を集める。