石:あるんですよ。体重も減らないし、活発に動き回っています。スキーもしたいぐらいなんです。
垣添:お酒はいかがです?
石:女房と缶ビール1本をシェアしようか、というぐらいです。たまに、ワインを1、2杯やります。外出したときはノンアルコールビール。飲めなくなったというより、飲みたくなくなったんです。
垣添:酒の味は変わっていませんか。
石:はい。ただ、夜の会合はやめました。その分、ランチが忙しいですわ(笑)。
垣添:楽観的に病気をとらえていらっしゃいますね。
石:スキンヘッドは髪形を変えたと言えば終わっちゃうし、すい臓がんステージ4Bと言うと、おずおず連絡してくる友人が多いけれど(笑)、普通の生活を送っている感じです。「体力と気力のストックがある」と友人が言ってくれました。
垣添:すばらしい。QOLを維持するために何かなさっていますか。
石:趣味を充実させています。たとえば囲碁です。一橋大学の如水会館(東京都千代田区)などで、2局。1局1時間半ぐらいです。昔は3局打っていましたが、3局目は体力消耗で負けちゃうから、やらない。
垣添:負けたくないですからね。
石:不愉快ですから(笑)。
垣添:奥様とは、どんな会話をされていますか。
石:情報は100%共有しています。僕のメールは全部、彼女のiPadで見ることができるんです。けっこう天下国家も議論してますよ。彼女は50年、確定申告をやっていますし、僕の手書き原稿をパソコンで打ったりしていましたから、税制通なんですわ。
垣添:夫婦の対話がはずむことも、非常に大事です。
石:朝起きるとね、今日は何を食べようかという話から始まります。肉を食べないと体重が減るんですよ。だから、食事の内容は、以前よりリッチになりました。エンゲル係数が高くなったんじゃないかな。旅行もよく行くんですよ。
垣添:どんなところへ?
石:新潟大学の経営協議会の委員をやっていますから、新潟には2カ月に1回かな。帰りに温泉寄ろう、とかね。一橋大の仲間やゼミの教え子たちとも年1、2回旅行しています。