関節と筋肉の関係に注目し、関トレを考案した笹川大瑛さん
関節と筋肉の関係に注目し、関トレを考案した笹川大瑛さん
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菱形筋の関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)
菱形筋の関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)
内転筋群の関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)
内転筋群の関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)
内側ハムストリングスの関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)
内側ハムストリングスの関トレ(週刊朝日 2018年4月13日号より)

 関節は運動のしすぎや加齢などによって衰えると、痛みがちになる。その関節を鍛えることで健康を取り戻すのが「関トレ」だ。考案者で“予約の取れない”人気理学療法士に聞いた。

首・肩のこりに最適なのは

 都内の病院で働く看護師A子さん(50代)の悩みは、中学時代から続く慢性的な肩こり。患者の移動を手伝うなど、力を入れる動作をした後は、肩がカチカチに。血の気が引き、吐き気を催す症状は、翌日まで響くことも。そんなガンコな肩こりを見事に解消したのが「関トレ」だ。

 関トレとは“関節を安定させるために行う筋肉トレーニング”のこと。日常に取り入れることで、さまざまな姿勢や動作が痛みなくできるようになるという。

 このメソッドを考案したのが、理学療法士の笹川大瑛(ひろひで)さんだ。病院でのリハビリやスポーツ選手へのケガ予防の指導などから、独自のトレーニング法を編み出した。そのノウハウは『関トレ 関節トレーニングで強い体をつくる』(小社刊)にまとめられている。

「腹筋やスクワットなどの筋トレは、体の外側にある大きな筋肉に働きかけて、強い力を発揮させるためのトレーニング。一方、関トレは“関節を守る筋力”をつけるトレーニングです。関節を酷使するスポーツ選手だけでなく、加齢による関節症状で悩む高齢者にも有効です」(笹川さん)

 笹川さんによると、こりや痛み、動かしにくいといった関節症状の多くは、関節を守る筋力の低下と筋肉の過剰な緊張というアンバランスがもたらすという。

 筋力の低下は、筋肉を使わないことから起こると言われているが、実はそれだけでなく、筋肉に負荷がかかりすぎることでも生じる。負荷で生じた小さな傷に炎症が起こり、それが筋肉そのものを弱らせてしまうからだ。この小さな傷は、ダッシュする、しゃがむ、重いものを持ち上げるといった、負荷が大きい行動や、昔のケガ(骨折や脱臼など)が要因となる。

「問題は一つの筋肉が衰えると、それを補おうと、もう片方の筋肉が過剰に働くようになること。何もしなければ、衰えた筋肉は以前のように働くことはありません。症状はさらに悪化していくばかりです」(同)

 この筋肉のアンバランスを解消するには、弱った筋肉を鍛えなければならない。同書では、各関節で衰えやすい筋肉の鍛え方が、首や肩、腰などパーツごとに全12種類紹介されている。すべてを通しで鍛えるのが望ましいが、特定の症状があれば、そこだけ重点的にしてもよいそうだ。

 本誌で紹介するのは“肩こり”と“ひざの痛み”。それぞれの関トレを、関節を守る筋肉の名前とともに解説しよう。使っている筋肉を頭に思い描きながらトレーニングすることで、より正しい姿勢で筋肉を鍛えられる。ポイントは「正しいフォーム」で「最大限の力を出す」ことだ。

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