地元高校の出身者が多い大学はどこか。国立大学のデータで都道府県別にみると、琉球大のある沖縄の地元者比率が最も高く、入学者の72%が県内の高校出身者。次いで、愛知61%と続く。低い地は京都14%、奈良15%、鳥取16%。地元出身者の多い地と少ない地の違いをひもとくと……。
文部科学省「学校基本調査」をみると、都道府県別に大学の入学者数と出身高校の所在地別の内訳がわかる。沖縄は2017年度の国立大入学者(=琉球大入学者)が1589人で、沖縄の高校出身者が72%の1150人。次いで、鹿児島、福岡、東京の高校出身者が33人ずつだった。
全47都道府県のデータを国立大入学者で比べたのがグラフ1。地元高校出身者の比率が最も高い沖縄から、最も低い京都まで地域差がある。沖縄の次に高い愛知は、「トヨタ、松坂屋、河合塾」と言われるように地元志向の強い地だ。
愛知は名古屋大、愛知教育大など4つの国立大があり、地元高校出身者の占める比率は全体で61%。昨年に名大の合格者が多かった高校は、県立明和80人、県立岡崎77人、県立一宮74人など、愛知の高校が上位を占める。
北海道大、旭川医科大など7つの国立大がある北海道は、地元高校の出身者比率が全体で54%。代表格・北大の17年の合格者数は、札幌北128人、札幌南112人と道内の2大名門校が上位だ。北海道の次は、東京、愛知、神奈川の高校出身者が多い。
対照的に、地元出身者の比率が最も低いのは、3つの国立大がある京都。入学者は全体で3837人で、京都の高校出身者(547人)より、大阪(649人)の方が多い。
地方で地元出身者比率の低さが際立つのは、鳥取大のある鳥取で16%。入学者1181人のうち、最も多いのは兵庫(254人)で、鳥取(194人)は2番目。次いで、島根と岡山(各89人)が多かった。
東北大と宮城教育大の2校ある宮城も、地元比率20%と低い。東北大の合格者が昨年多かった高校は、宮城県立の仙台第二と仙台第一に続き、岩手県立盛岡第一、山形県立山形東と隣県の公立校が続いた。