この数年、デジタル広告をめぐっては、不適切なサイトやコンテンツに掲載されることで、企業や製品のブランド価値が損なわれるのではないかという「ブランドセーフティー」への懸念が高まっていた。
既に多数の企業がグーグルやフェイスブックから広告を引き揚げる決断を下している。16年11月には、シリアルメーカーの「ケロッグ」を始めとする複数の企業が、オルタナ右翼サイト「ブライトバート・ニュース」への広告出稿を停止。17年3月にはテロやヘイトをあおるビデオに広告が掲載されていたとして、また11月には子どもへの不適切な内容やコメントを含むビデオが野放しになっているとして、多数の企業がユーチューブへの広告出稿を停止している。
ウィード氏は18年を「テックラッシュ(大手テクノロジー企業への反発)の年にするか、それとも信頼回復の年にするか」という選択をプラットフォーム企業に迫っている。
フェイクニュースやヘイトスピーチの温床となったプラットフォーム企業の問題は、単なる企業倫理の課題にとどまらず、彼らのビジネスの根幹に波及しつつあるのだ。
※週刊朝日 2018年3月2日号