国会で集中砲火を浴びる茂木敏充経済再生相 (c)朝日新聞社
国会で集中砲火を浴びる茂木敏充経済再生相 (c)朝日新聞社

「線香問題」が持ち上がっている茂木敏充経済再生相が、国会で連日、集中砲火を浴び、防戦一方となっている。茂木氏が選挙区内で有権者に線香を配布したことが週刊誌で報じられ、公職選挙法違反の疑いが持ち上がっているのだ。

 一方、茂木氏が「ナンバー2」を自認する所属派閥でも激震が走っている。

 額賀派(平成研究会 55人)では“額賀下ろし”が本格化。参議院側の21人が額賀福志郎衆議院の会長退任を求めている。

 額賀派といえば、竹下登氏が、師である田中角栄氏を追放する形で結成した経世会が源流。その名門が分裂の危機にあるのだ。

 長きにわたって自民党最大派閥を誇ったが、2009年に額賀氏が会長に就任して以降、石破茂氏らが離脱したこともあって、細田派(清和会、96人)、麻生派(志公会、60人)に次ぐ第三派閥に甘んじている。

 勢力拡大が見通せないうえ、閣僚ポスト獲得に実績が残せていない。派閥の領袖でありながら総裁候補に名前すら挙がらない額賀氏に、不満が噴出したと見られている。額賀氏は昨年7月、「安倍さんを支えていく」と表明。総裁選に向けて、早々に安倍支持を打ち出しことに、派閥内に失望感が広がったとも言われている。

 額賀氏に対する退任要求に同調する動きは衆院にも及んでいるが、参院のクーデターの背後には、かつて“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏の存在を指摘する声もある。

 閣僚も務めた額賀派の大物OBがこう語る。

「引退したとはいえ、青木さんの影響力は絶大です。今回、額賀派の参院側が一枚岩になっているところを見ると、やはり青木さんの意向しかない。ただし、青木さんと額賀さんの関係が決して悪いというわけではないのです。額賀さんが会長に居座り続けることに、青木さんが本当に不満を持っていたのなら、とっくに引きずり下ろしていますよ」

 青木氏の本音は、「好ましからざる人物」が派閥で台頭することを懸念していることだという。その人物こそ、茂木氏にほかならないのである。

 大物OBが続ける。

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茂木氏の若手議員たちからの評判は…