今年こそ体重を落としたい、健やかに1年を過ごしたい。そんな思いで新年を迎えた人も多いはず。そこでおすすめしたいのが、まず大豆から食べ始める健康法。栄養が豊富なうえ、血糖値の急上昇を抑えられる“大いなる豆”。そのパワーに魅せられる人は多い。
豊富な栄養素を含む大豆を、どのように調理して食べるとよいのだろうか。
大豆の調理は手間と時間がかかり、丸ごと食べるのはハードルがやや高い。豆腐や油揚げ、豆乳などの加工品は食卓に出しやすい半面、肝心の食物繊維が多く失われがちだ。
そこで、管理栄養士の本多京子さんは蒸した大豆をすすめている。
「炒り大豆は硬いので吸収がよくないし、水煮にすると水溶性のビタミンやミネラルのほか、うまみがゆで汁に流れ出ます。栄養素を取り込みやすいのは、蒸した大豆、納豆、きなこ。中でも、蒸し大豆はくせがなく、いろいろな料理と合い、毎日の食事にとり入れやすい。自分で蒸すのはちょっと手間がかかりますが、市販品を使えば手軽です」
池谷医院(東京都)の池谷敏郎院長は大豆ファーストを始めた当初、納豆を食べていた。しかし、ここ2年ほどはくせのない蒸し大豆が中心という。サラダやスープ、ヨーグルトに加えて食べたり、ご飯と一緒に炊いて食べたり。インスタントのスープとパック入りの蒸し大豆を買い、即席の大豆スープを職場で食べることもあるという。
蒸し豆は、蒸した大豆や黒豆をパウチして、そのまま食べられる形で売られている。フジッコの調べ(インテージSCIデータ利用)によると、市場は2年間で倍に急成長した。
記者の近所のスーパーでも、パック入りの「そのままがおいしい蒸し大豆」(フジッコ)が100円ほどで売られていた。さっそく試してみると、水煮の市販品と違い、自然なうまみがある。そのまま食べても、案外おいしかった。ダイエット中や糖質制限中のおやつとしてもいけそうだ。
みそ汁に蒸し大豆を加えても、違和感なくおいしく食べられた。煮込んだり火を通したりする必要がないから、手軽に食べられる。
意外だったのは、3人の子がそのままの蒸し大豆をペロッと平らげ、おかわりも欲しがったこと。野菜嫌いの子は食物繊維やミネラルが不足しがちで、親の心配のタネ。豆でこれらの栄養素を補うのもよさそうだ。