

現在日本には約100万人のC型肝炎ウイルス感染者がいると推計されているが、実際に治療を受けているのは約14万人(厚生労働省「平成26年患者調査」)にすぎない。そもそも自分がC型肝炎に感染しているかどうかを知らない人も多い。埼玉医科大学病院消化器内科・肝臓内科教授の持田智医師はこう話す。
「医療現場でC型肝炎ウイルスの検査が実施されるようになったのは、1989年以降です。それ以前に医療機関を受診した人は、たとえ輸血をしていなくても一度血液検査を受けてください。基本的に40歳以上の人は一生に一度は検査を受けましょう」
また、最近でも入れ墨や不衛生な状態でのピアスの穴開け、違法薬物の回し打ちなどで感染するケースはある。C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる血液検査は、ほとんどの自治体や保健所で、無料で受けられる。
「感染していることがわかっても、肝機能が正常なために治療を受けていない人もいます。しかし特に高齢の場合、肝機能が正常でも肝がんになる人がいるので要注意です」(持田医師)
C型肝炎は、自覚症状がないことも治療を受けない原因の一つと考えられる。