平尾は神戸製鋼に入る前に英国の大学へ留学しているんですが、そこでラグビーをする時、やり慣れたポジションと違うポジションを言われ「そんなんやったことない」と言ったら、「お前はラグビーをやったことないのか」と不思議がられたそうです。その経験があるからでしょう。
さらに、喫茶店での取材の続きですが、取材中にウェートレスが注文してもないミックスジュースを持ってきました。我々のじゃないよと不思議がっていたら、平尾はふとミックスジュースを見て「これですわ。うちのラグビー。ミックスジュースですわ」と一言。
つまり、神戸製鋼のラグビーは毎回いろんな違う味がしますよと。試合によって選手も違うわけですから。
平尾はとにかくいろんな言葉を持っていた。プレーでも、フォワードにライン参加させるなど本当に自由でした。(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日オンライン限定記事