貴乃花親方 (c)朝日新聞社
貴乃花親方 (c)朝日新聞社
新番付を手にする新小結の貴景勝  (c)朝日新聞社
新番付を手にする新小結の貴景勝  (c)朝日新聞社

 初場所の番付で東小結に昇進した貴景勝(=貴乃花部屋)の新三役昇進会見が両国国技館で12月26日、行われた。師匠も同席するのが慣例だが、渦中の貴乃花親方の姿はなかった。

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 それもそのはず、出世街道に乗る愛弟子とは裏腹に、貴乃花親方は“土俵際”に追い詰められているのだ。25日、貴乃花親方はついに都内のホテルで協会の事情聴取に応じたのだが、この経緯についても協会執行部側からは依然として厳しい視線が注がれている。執行部側に近いある親方はこう話す。

「国技館に来ればいいのに、ホテルに協会側を呼びつけるような格好にして礼儀がない。おまけに弁護士同席。こちらは鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)だけじゃなくて、高野利雄危機管理委員長(元名古屋高検検事長)もいるんですからね。貴乃花親方の話は、先日の理事会で配ったペーパーの内容と同じ主張。協会の調査に協力しないという指摘は徹底して否定し、協力していたと。協会に暴行の連絡をしなかったのは、日馬富士の師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)からするという認識だったと言い、巡業部長の役目もキチンと果たしたと言ったそうです。質問が出ると待ち構えていたように淀みなく主張したので、弁護士と事前に打ち合わせていたような印象を受けたそうです」

 結局、協会側とのすれ違いは解消されないまま。次の焦点は、28日の臨時理事会で貴乃花親方にどんな処分が下されるのかだ。前出の執行部側の親方はこう話す。

「執行部は、もういい加減にしてほしいと怒っている。貴乃花親方は、初場所後の理事選に自分の一門から理事を2人出そうと執行部に揺さぶりをかけて、自分のペースに引き込もうとしているんじゃないかと疑念を持たれている。引っ掻き回されるばかりだから、次の理事選に出られないように資格停止にしたほうがいい、という声すらあります」

 10人いる理事のうち、現在、貴乃花一門出身の理事は貴乃花親方一人のみ。これを2人にして、理事選後に新理事の互選で行われる新理事長選を有利に運ぼうという思惑があるというのだ。

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