
チケットはあっという間に完売。ゲームやアニメ、漫画を原作とする舞台、いわゆる「2.5次元ミュージカル」が大人気だ。
11月11日、東京ドームシティホールで行われたミュージカル「『刀剣乱舞』~つはものどもがゆめのあと〜」を見にきた20代女性2人組は、「いつもなかなかチケットが取れずに悔しい思いをしていたけど、今回は奇跡的にチケットが取れた」と嬉しそうに会場に入っていった。
「2.5次元ミュージカル」とも呼ばれるゲームやアニメ、漫画など2次元の作品を原作とした舞台の人気が過熱している。一度見た人がその世界観に魅了されリピーターになることが多く、チケット争奪戦まで起きている。市場規模は右肩上がりで、昨年は約130億円に達した。
なかでも突出しているのが、流行語大賞にもノミネートされた『刀剣乱舞』のミュージカルだ。原案は同名のゲームで、名だたる刀剣が戦士の姿になった「刀剣男士」たちが主命を受けて敵と戦う。このゲームから“刀剣女子”なる言葉も生まれたほどだ。
ミュージカル『刀剣乱舞』のステージは2部構成で、1部がミュージカル、2部がライブ。一粒で二度おいしい約3時間半の公演が若い女性を魅了する。
いわゆる「2.5次元ミュージカル」は、2003年に上演されたミュージカル「テニスの王子様」が火付け役。もちろん、当時は「2.5次元ミュージカル」などという言葉はなかった。累計5700万部を売り上げた「週刊少年ジャンプ」の人気漫画が原作とはいえ、舞台化は困難といわれていた作品だ。
公演初日の客の入りは悪かった。しかし、舞台を見て感動したファンの口コミから人気に火がつき、売れ残っていたチケットが完売、追加公演も決まった。
「前例がなかったからこそ実験的なこともでき、結果としてオリジナリティーあふれる面白いものができた」というのは、このほど『2.5次元舞台へようこそ』を著したおーちようこ氏だ。
新たな才能が集まり出した2.5次元ミュージカルは人気漫画が原作の「弱虫ペダル」「NARUTO」、そして「刀剣乱舞」で花開いたのだ。