投資家向けのウェブ放送局、ストックボイスの岩本秀雄キャスターは「NISA向けといえば、一般的に時価総額や流動性が高い大型株や、安定志向の銘柄が挙げられることが多い」と前置きしたうえで、あえて中小型株に目を向ける。

 大型株の大企業のような安定性はなくても、その分伸びしろはある。具体的には収益力の高い人材派遣のUTグループや、歯科向け器具で世界シェアトップクラスのナカニシなどだ。

 今回取り上げた銘柄は、上場企業の中のほんの一部。実際に株を買う場合は、証券会社やインターネットなどから情報を集め、複数の銘柄を比較、検討しよう。

 時期も見極めないといけない。株価は常に変動していて、焦って買うと高値づかみする恐れがある。チャートなどを分析し高値圏にあると思ったら、値下がりするまで待つ余裕も必要だ。

 そしていったん買ったら、株価の値動きに一喜一憂しないこと。値下がりを心配して短期の売買を繰り返すと、NISAの年間の投資枠をすぐに使い切ってしまう。

 株式投資は大きなリターンが期待できる代わりに、損失のリスクも大きい。自己責任が原則で、損をしても誰も助けてくれない。手持ちの資金を全部投入するのではなく、余裕のある範囲でやることだ。

 こうした点に気をつけながらNISAを活用すれば、長い目で見るともうかる可能性が高まってくる。今は銀行にお金を預けていても、金利はほとんどつかない。資産運用を応援する国の戦略に乗っかってみるのも良さそうだ。

週刊朝日 2017年12月15日号