こう指摘するのはベテランFPで「ファイナンシャルリサーチ」の深野康彦代表。日経平均株価は26年ぶりの高値水準にあり、さらなる大幅値上がりには懐疑的な見方もある。そんなときは、業績が好調な企業を選んで投資したほうがいいというわけだ。

 例えば2018年3月期の連結最終利益の見通しを上方修正し、過去最高益を見込む三菱商事や、情報電子製品向けの材料が好調な住友化学などがある。ほかにも訪日外国人客の増加の恩恵を受ける共立メンテナンスや、人手不足で事業が広がるリクルートホールディングス、中堅・中小企業の合併・買収(M&A)仲介を手がける日本M&Aセンターも業績が伸びている。

 個人投資家向けに投資スクールを運営するアルゴナビスの清水洋介社長は、株主に自社製品や金券などを贈る優待制度が充実し「持っていて楽しめる銘柄」を推す。

「株価がすでに上がってしまった銘柄も結構あります。NISAで長く保有することを前提とするなら、多少割高でも配当や優待制度がよいものを選びましょう」

 優待を実施する上場企業は1300社を超え、過去最高を更新。個人投資家の人気を集めようと、各社とも内容を豪華にしたり、ユニークな商品を用意したりするなど知恵を絞る。
 ガストなどを展開するファミレス最大手すかいらーくは、保有株数に応じてお店で使える食事券を定期的に配っている。食事券の額を今年6月末の基準日から、従来の約3倍に引き上げた。単元株数である100株を持っていれば、年間6千円分が手に入る。通常の配当と食事券の額を合わせた利回りは6%前後に達する。

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