流行語大賞の発表・授賞式で、各テーブルに置かれた忖度まんじゅう(撮影・大塚淳史)
流行語大賞の発表・授賞式で、各テーブルに置かれた忖度まんじゅう(撮影・大塚淳史)
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流行語大賞の受賞者は「忖度まんじゅう」を発売したヘソプロダクションの稲本ミノル社長(撮影・大塚淳史)
流行語大賞の受賞者は「忖度まんじゅう」を発売したヘソプロダクションの稲本ミノル社長(撮影・大塚淳史)

  ユーキャン新語・流行語大賞の発表・授賞式が12月1日、東京の帝国ホテルで行われた。年間大賞には「忖度」(そんたく)「インスタ映え」が選ばれた。他に、「35億」「Jアラート」「睡眠負債」「ひふみん」「フェイクニュース」「プレミアムフライデー」「魔の2回生」「○○ファースト」が受賞語に選ばれた。

 選考委員特別賞は「9・98」と「29連勝」となった。

 例年授賞式には言葉にちなんだ有名人が参加するが、今回は欠席が目立った。「35億」が持ちネタのお笑いタレント、ブルゾンちえみや、今年現役引退した棋士「ひふみん」こと加藤一二三さん。100メートルで9秒98を記録した陸上・桐生祥秀(東洋大学)や、プロ棋士デビュー29連勝を達成した驚異の中学生・藤井聡太四段も会場に現れることはなかった。

 年間大賞に選ばれた「忖度」についても、森友学園や加計学園を巡る問題の当事者の姿はなかった。

 代わりに登場したのは予想外の人物だった。騒動に便乗して、6月に「忖度まんじゅう」を発売した大阪の企画会社ヘソプロダクションの稲本ミノル社長だ。

「本日は大きな忖度をして頂いて、ありがとうございます。忖度は日本文化を表す素晴らしい言葉です。真面目に売り続けたら神風が吹いた」

 受賞をこう喜んだ。

 稲本社長によると、まんじゅうは発売から8月までに5万箱が売れる大ヒット。9月に社員へ「忖度手当」を支給したという。

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