「理事長も構わないというので、電話することになった。県警の人の名前を確認して電話したら、『協会の聴取に協力するのかどうかはお任せします。外部に向けて話すのはちょっと困るが、協会なら構わない』という答え。貴乃花親方が自分で確認したいというので電話を代わったが、答えは同じ。それでも貴乃花親方は『任せると言っていたんですから、協力できない』と意見を変えない。複数の親方が『なんでなんだ』と声をあげ、一触即発のような緊張感に包まれました」(前出の親方)
このまま決裂か、とも思われたが、外部理事の一人で元名古屋高検検事長の高野利雄氏が「心情はわかるが、理事、親方として説明する責務があるはず」などと説得し、貴乃花親方も「警察の捜査が終われば協力します」と、最終的には折れたという。
だが、一連のやり取りは、協会執行部と貴乃花親方の相互不信が決定的であることを浮き彫りにした。今後の協会による調査も難航することが予想される。親方たちの間でも、不穏な空気が漂ったという。