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Winter Jazz Fest 2012より、ジョン・コルトレーン(ts,ss)・クァルテットのジュニア世代のラヴィ・コルトレーン(ts)と、マシュー・ギャリソン(el-b)
Winter Jazz Fest 2012より、ジョン・コルトレーン(ts,ss)・クァルテットのジュニア世代のラヴィ・コルトレーン(ts)と、マシュー・ギャリソン(el-b)
Pファンクの中枢を担ったバーニー・ウォレルも、オーケストラで登場
Pファンクの中枢を担ったバーニー・ウォレルも、オーケストラで登場

 “Bitter End”や、“Kenny's Castaways”など、1960年代にはボブ・ディラン(vo,g)らが活躍したライヴ・ハウスが軒を連ね、ヒッピー・カルチャーの発信地だったブリーカー・ストリート。その一角に1958年にオープンしたジャズ・クラブが、“ヴィレッジ・ゲイト”である。ディジー・ガレスビーItp) 、マイルス・デイヴィス(tp)や、ジョン・コルトレーン(ts,ss)が競って出演した。今春にもビル・エヴァンス(p)が1968年に、一階のレストラン・スペース、“トップ・オブ・ザ・ゲイト”でライヴ録音した未発表音源が発掘され、話題となった。

 メイン・スペースは地下にある、当時は珍しいマルチ・ステージのクラブだった。また1977年に始まった毎週月曜の夜のスペシャル・イヴェント、“サルサ・ミーツ・ジャズ”は、ラテンとジャズ・ミュージシャンの異種間ジャム・セッションで、数々の名場面を演出してきた。1993年に“ヴィレッジ・ゲイト”は惜しまれつつ、その幕を閉じ、時代の趨勢に押され、1階の“トップ・オブ・ザ・ゲイト”はドラッグ・ストアとなり、いつしかその痕跡は失われつつあった。

 しかし、2008年地下のメイン・ステージが、“ル・ポアゾン・ルージュ”として、復活した。ステージの配置は往時とは違うが、キャバレー・スタイルのクラブとして、ジャズのみならず、ポップス、ヒップホップ、DJから、クラッシック、演劇まで多目的なカルチャー・スペースとして甦った。毎年1月の最初の週末に開催されるアメリカン・パフォーミング・アーツ・プレゼンター協会(APAP)の年次総会のジャズ部門のショウ・ケースで、ブリーカー・ストリート近辺の5つのクラブを舞台とする、ウィンター・ジャズ・フェストではメイン会場となり、2日間、多彩なバンドが登場、スタンディングで700人のキャパシティの超満員となる。時代は流れても、新たな文化発信地として健在である。

158 Bleecker Street (Bt.Sullivan & Thompson St.)
New York NY 10012
tel. 212.505-3474
オープン時間は、ショウにより異なる。
7:00 PM Door Open, 7:30PM Show
9:30 PM Doore Open , 10:00 PM Show
ウェブサイトにて要確認
http://www.lepoissonrouge.com/