年明けのニューヨークは、毎年1月の上旬から中旬にかけて開催されるAPAP(アメリカン・パフォーミング・アーツ・プレゼンター協会)の年次総会が開催され、全米、世界中から、音楽、ダンス、演劇関係者が集結する。ジャズ部門のショウ・ケースとして開催されるのが、NYC ウィンター・ジャズフェストだ。9年前にスタートしたときは、当時トライベッカにあった3つのステージをもつニッティング・ファクトリーで、20のコンサートの規模だったが、今年は、ヴィレッジのル・ポアゾン・ルージュと、ジンク・バーを中心に、6つのヴェニューで2日間開催し、75ものコンサートが、ノン・ストップで続いた。
モンティ・アレキサンダー(p)のような大ヴェテランから、ジェイムス・カーター(ts,ss)のような中堅どころ、マーカス・ストリックランド(ts,ss)のラッパーを擁したヒップなユニットや、今のニューヨーク・ジャズ・シーンを席巻しているインド系ミュージシャンの代表格、ルドレッシュ・マハンサッパ(as)、デイヴィッド“フューズ”フュージンスキー(g)のスリリングな双頭ユニット、ガマック、そしてひさびさにシーンに登場した本格的な男性シンガー、グレゴリー・ポーター(vo)らがフィーチャーされた。
ブッキングは、今のニューヨークの旬の若手、中堅アーティストを中心に構成されている。世界各地のジャズ・フェスティヴァル関係者や、ブッキング・エージェントが集まるので、演奏は真剣そのものだ。
また、基本ショウ・ケースなので、チケットも2日間の通し券で$45.00とリーズナブルなのも、ありがたい。収客人数に限界のあるヴェニューもあり、人気アーティストは、あっという間に満員になるので、その前のグループから聴いて待つぐらいの覚悟が必要だ。新たな年のニューヨーク・ジャズ・シーンの動向を占うには不可欠な、真冬のジャズの祭典である。
2013年1月11、12日
http://www.winterjazzfest.com