首相秘書官と加計学園、愛媛県、今治市の“四者謀議”に続き、新設される獣医学部棟の建築設計図が本誌のスクープで、安倍晋三首相の“嘘”が白日のもとにさらされた。
本誌(オンライン版)が8月18日に詳報した、加計学園が愛媛県今治市に新設する岡山理科大学獣医学部研究棟の設計図が波紋を広げている。加計学園関係者はこう話す。
「設計図が流出して、学園はとんでもない騒ぎです。週刊朝日がネットで速報を出した後は、お盆なのに幹部たちが右往左往していました」
関係者が焦るのも無理はないことだ。この設計図は、これまで市民団体やメディアが追及してきた数々の疑惑を裏付ける物証ともいえる。だからこそ、加計学園と今治市は、これまで市民やメディアから設計図の公開を求められてもひた隠しにしてきた。
疑惑の一つが、建築費の水増しだ。獣医学部新設には今治市と愛媛県で最大96億円の補助金が出ることになっている。加計学園によると、建築費の坪単価は約126万円。
今治市の菅良二市長は25日、「他大学や病院と比べても高額ではない」との見解を示している。
一方、設計図を見た建築家は「坪単価で70万~80万円、高くても100万円はいかない」と話す。2014年に完成した北里大学の獣医学部棟の建築費は坪単価で約82万円。北里大学に比べても、約1.5倍の費用がかかっている。今治市で加計学園問題を追及している「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表は言う。
「設計図が公になったことで、水面下でくすぶっていた加計学園の不透明な補助金請求問題が白日の下にさらされます」
では、問題の<(仮称)岡山理科大学 獣医学部 今治キャンパス 新築工事及び周辺工事 獣医学部棟>と題された52ページに及ぶ設計図を検証しよう。
作成者には「SID創研」と「大建設計」が名を連ね、日付は<平成29年3月>。獣医学部の新設は今年4月に本格的な工事が始まっているので、着工直前に作成された設計図と思われる。ちなみに、SID創研は加計学園のグループ会社だ。