元アイドル歌手で俳優の仁藤優子さん、舞台俳優から洋画の吹き替え、アニメやゲームなど声優としても活躍中の西凜太朗さんの夫婦。結婚前に10年の同棲をするも別れてしまった過去があるという。よりを戻したきっかけとは?
※「仁藤優子『なんて汗かきな人だろう』 夫の第一印象語る」よりつづく
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――友達としてはいいけれど…距離を置いた2年間
夫:本当に仕事がなくて。アルバイトはするものの、いつ芝居の話が入ってくるかわからないから、調整しやすい仕事しかできない。
妻:そうね。で、変に時間を持て余して、昼間ゴロゴロしてたり。
夫:自活できるほど収入がないから、今思うと、ヒモみたいな状態でした。
妻:優しいし、楽しいんだけど、この人とずっと一緒にいていいのかなあと。私も悩みました。
夫:結果、三くだり半、突きつけられまして。
妻:それから2年近く、一度も会わなかったよね。
夫:生活できないもんだから、俺はもう死んでしまう、って思いました。このままじゃだめだ、と。そこで思い切って劇団をやめて、芸能事務所に入ることにした。
妻:劇団が悪いわけじゃないんです。ただ、自分に合った仕事を見つけるにはそのほうがいいと思った。
夫:そこから声の仕事がぐっと増えまして。実は若いころは、声だけの芝居には抵抗があったんです。やっぱり、自分が動いて芝居して、セリフが言いたかった。
妻:若かったねー。
夫:当時、大先輩だった岸田今日子さんとお茶を飲む機会がありまして。
妻:すごい方じゃない!
夫:最近どう?って聞かれて、声の仕事はちょいちょいあるんですけどねぇ……って首をかしげたら、あなたね、それは違うわよ、と。
妻:へええ。
夫:岸田さんの時代は、ラジオの仕事から始まって、ムーミンをやって……そうやってなんでもやってきたのっていうお話を伺って。考えが変わりました。評価されて仕事をいただけてるんだって思うようになった。
――と生活のめどが立つようになったころ、共通の知人が亡くなったという知らせが。その葬儀の席で、久しぶりに再会した。
妻:大嫌いになって別れたわけじゃなかったから、あら、元気?と。それから、ごくたまーに、ご飯食べたりするようになって。