東日本大震災について多くのドキュメンタリーがあるなか、ちょっと変わった番組が8月27日夜にNHKBS1で放送される。宮城県女川町の女川中学校女子バスケ部を題材にしたアニメドキュメント「女川中バスケ部 5人の夏」だ。震災で部員不足になりながらも、全国大会を目指す少女たちを描いた。
声の出演では、ベテラン声優の山寺宏一やお笑いコンビ・サンドウィッチマンら、「東北ゆかり」の人たち。さらに女優の倉科カナ、番組ナレーションは綾瀬はるかという豪華さだ。
アニメは女子バスケ部の3年生5人が主人公。切り込み隊長のキャプテン・アンナ、負けず嫌いの副キャプテン・セリナ、チームのムードメーカー・カリン、大胆不敵なリバウンダー・カホ、ストイックなポイントゲッター・ナナミ。
女子バスケ部は全国大会3位の実績がある強豪だったが、震災で部員が激減し、廃部寸前になっていた。避難所の片隅で練習を再開した幼なじみの5人は、中学“最後の夏”に青春をかける。震災により生活が一変するなか、少女たちの揺れ動く心情や固い絆を追ったストーリーだ。
実は、NHKは昨年「おはよう日本」や「BS1スペシャル」などで女子バスケ部について報じている。他にも民間放送や新聞なども取り上げてきた。
アニメで改めてドキュメンタリーをつくることについて、報道局社会番組部の吉田宏徳プロデューサーはこう語る。
「昨年のおはよう日本やBS1スペシャルでは大きな反響がありましたが、より幅広い層、特に少女たちと同じ中学生やその前後の子どもたちに見てもらいたいという思いが強くありました。アニメという手法をとれば、普段ニュースやドキュメンタリーをあまり見ない層にも関心を持ってもらえると思いました。震災から月日がたち、被災地の現実が視聴者に届きづらくなるなか、なんとか新しいカタチで関心を持ってもらいたいと試行錯誤しています」
監督は「ONE PIECE」や「虹色ほたる」「DAYS」などを手がけた宇田鋼之介。自身のツイッターで、こう述べている。