「松任谷校長の家でお手伝いしてまーす」とユーミンが登場した7月末のレアなライヴが話題だ。「松任谷校長」とは夫であり音楽プロデューサーの正隆氏。1970年代からユーミンをはじめ、吉田拓郎、ゆず、いきものがかりなどの音楽を手掛けた。ユーミンとの絆、ライヴの舞台裏を語った。
──今、松任谷由実さんの全国ツアー中ですよね?
最新アルバム「宇宙図書館」の全国ツアー中です。今回は、北海道から沖縄まで全80公演行います。
──総合演出を担っている松任谷正隆さんも全公演同行されるのでしょうか。
基本的には、東京および東京近郊、名古屋、大阪など大都市だけです。ツアー前に演出、照明、舞台、映像……などを作り、あとは節目節目にチェックして微調整します。とはいえ、東京、大阪、名古屋はそれぞれ複数回あるので、20公演以上は行くことになります。
──ということは、ツアーの初期、中期、後期では内容が違うわけですか?
全体的な構成は同じですが、出演者の動きや照明などは修正します。ステージが展開するきっかけも精度が上がっていく。ただ、もう変えないと思いますよ。9月のファイナルまでラスト10公演くらいですから。
──ツアーの真っ最中、7月の終わりには、かなりレアなライヴに出たので驚きました。
マイカ・ミュージック・ラボラトリーの開校30周年記念のライヴですね。マイカというのは東京・世田谷の用賀にある、僕が校長を務めている音楽学校で、そのスタジオで7月21、22、23日の3日間、ライヴを行いました。客席数は120。ターボー(大貫妙子)、稲垣(潤一)君、清水ミチコさん、杉(真理)……が駆けつけてくれました。お客さんは、マイカの在校生、OBやOG、それから一般の音楽ファンも。マイカのホームページで募集して、抽選で当たった方々です。入場料は無料(笑)。
──音楽学校内のライヴに、なぜそんな一級のミュージシャンたちが?