妻:お客さまに夢を見ていただくのが仕事ですから。だから舞台役者の妻って言ったって、特別変わったことはないんですよ。

夫:こういうことを言うと、また梅沢が歌舞伎の悪口言ってるとか書かれるわけですけど、違うんですって。そもそも、うちは市川團十郎の流れなんですよ。

妻:お父さんのお師匠さんがね。

夫:市川梅昇という方で。だから、弟子の系譜をたどれば、すみっこに僕の名前もあるんです。でも、そんなこと言ったって意味がない。テレビじゃエキセントリックなところばかりつまんで編集する。それがエンターテインメントならいいんです。面白ければ、ね。

妻:それはいつも言ってますね。

夫:テレビに出していただけることは本当にありがたいことだと思ってます。けど、僕はあくまで、舞台俳優ですからね。テレビ番組に対して、好きか嫌いかっていう価値観やこだわりは持っていない。

妻:でも、いくらエンターテインメントでも、うそは大っ嫌い、ね。

夫:昔、芸能リポーターの梨元(勝)さんを、テレビ局で追いかけまわしたこともありましたよ。梅沢富美男の体には刺青(いれずみ)が入ってる、なんて書かれましてね。

妻:どこに入ってるんだ、よく見ろ!って記者会見で裸になっちゃったの。

夫:局で「あ、てめー、このやろう!」って追いかけたんだけど。まあ、逃げ足の速かったこと(笑)。

※「梅沢富美男の浮気性は本当? 家庭での意外な素顔」につづく

週刊朝日 2017年8月11日号 より抜粋