作家・室井佑月氏は、安倍政権の支持率低下を利用できない民進党に発破をかける。
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安倍政権の支持率、時事通信での29.9%につづき、ANNの世論調査でも29.2%と3割を切った。
となれば、野党の支持率が急激に上がっても良さそうなのに、そこはそうでもなさそう。なんでだと思う?
経済評論家の植草一秀さんが7月17日、ご自身のブログに「アベノミクスで99%主権者の生活はズタズタだ」というコラムを書いておられた。ちょっと紹介しよう。
まずコラムは「安倍政治の本質は何か。」という言葉からはじまっている。で、結論。
〈安倍政治の本質は「巨大資本のための政治」である。「巨大資本」の本尊は「ハゲタカ」である。(中略)そして、安倍政治とはハゲタカの利益極大化を目指す政治なのである。(中略)ハゲタカ巨大資本対私たち主権者は、1%対99%と言い換えることができる。この1%のハゲタカ巨大資本にとって、最大の敵は99%の主権者、民衆なのだ。(中略)99%勢力とは民主主義そのものを指している。そこで彼らが採る戦略が「弾圧」なのだ〉
わかりやすい! つまりあたしがいいたいことは、そういう安倍政治の本性はバレつつあるが、支持率が上がらない野党はほんとうに99%民衆の味方なのかってこと。
あ、ごめん、ごめん。ごまかさないでいうわ。落ち目であっても今のところ、最大野党である民進党はどうなの、っていいたい。
残業代ゼロ法案についても一時は条件付きで容認したし、あそこはやっぱり大企業の労働組合。99%とは相いれない。
むしろ、あそこに都合良く使われる民進党であるから駄目なんじゃないの?
あそこと手を切る勇気があったら、「原発ゼロ」と早々に打ち出せたのに。これって大きいことじゃんか。
電力会社って、一昔前の権力の象徴だ。古い力ばかりを優遇してどうする? それって、新しい産業や雇用の邪魔にもなる。
1%の人はずっと1%。99%の人もそう。それがたまらなく嫌だとみんな思っているのに。
近所で共産党の小池晃さんの講演会があって、足を運んだら、彼はこういっていたぞ。
「大企業の内部留保は400兆円もある。それを赤ちゃんからお年寄りまで全員で分けたら、1人300万円にもなる。お金が隅々まで分配される世の中になれば、みんな車だってカメラだってもっと買うでしょ」って。「それが良い世の中なんじゃないか」って。
そうそう、小池さんはウケをねらって、野党共闘、
「この道しかない!」
と叫んでた。「まだ道半ば!」とも。笑ったわ。
弾圧なんてされてたまっか! まだ笑える余裕のあるうちに声をあげないと。
連合は共産党が嫌だから、野党共闘の邪魔をする。99%の民衆側につくなら、その答えは簡単でしょう?
※週刊朝日 8月11日号