「30年ぐらい前、離婚したばかりのとき、私にとって初めての舞台出演が『喜劇・離婚』という作品でした(笑)。それが上演されたのが現在のシアタークリエで。こうしてまた同じステージに立てるなんてすごい偶然だと思いました。初心に戻る感じだなって」
普段声を張るような芝居はしないので、舞台は向いていないのではないかという不安があった。そのとき共演した赤木春恵さんに、「うがいは毎日したほうがいい」とアドバイスされたものの、浅田さんは大のうがい嫌い。
「どうしてもうがいができなかったので、結局一切しないまま、2カ月乗り切りました(笑)。赤木さんには、『本当に喉が強いのね』と言われました。とはいえ今回は、さすがに体力的に不安なので、トレーニングに通い始めたところです」
仕事のときは、緊張感を楽しむようにしている。一昨年、河瀬直美監督の「あん」に出演したときも、クランクイン前日になって、まったく眠れないぐらいに緊張した。
「でも、そういうのも終わると気持ちがいいし、いくつになっても緊張できるのは、この仕事ならではなのかなと思います。年齢を重ねて良かったこと? 本当の友達が見つかるのは、大人になってからですよね。とくに人間関係は、余分なものがどんどん削られてシンプルになっていくのが気持ちよかったりします」
※週刊朝日 2017年7月28日号