こうした傾向は、親世代にはどのように映るのだろうか。

 結婚相談所「マリックス」が主催し、子供に代わって親が婚活する“親おや交流会”代表・升村要氏は、次のように語る。

「年齢より、どちらかといえば家柄などバランス重視ですね。少数ながら、33歳の壁を意識する親御さんは、NHKクローズアップ現代の『卵子の老化』という特集の影響と聞いています。お子様ご本人のほうはまったく気にしていませんけどね」

 それは2012年2月14日に放映された。「35歳以上だと妊娠が難しくなり、卵子の老化に備え、卵子を凍結する」などと特集した番組で、当時、女性たちに少なからず影響を与えた。

 だが『生殖医療の衝撃』(講談社現代新書)の著者で埼玉医科大学産科婦人科学教室の石原理教授は35歳以上の出産の割合は年々上昇していると指摘する。

「データをみると一目瞭然ですが、35歳以上は15年には28%と、25~29歳を超えています。晩婚化が進んだ結果といえるでしょう」

 報道を理由に、結婚相手を年齢で見てしまう“残念な”男性は確かに存在するが、差別を受けるのは何も女性だけとは限らない。前述した親おや交流会にそれが顕著に表れる。東京や名古屋、大阪、福岡などで毎月開催され、参加者である親が、息子や娘の写真とプロフィルを持ち寄り、話し合いの上で交換して持ち帰る交流会は、親同士の婚活だ。会に続けて参加する母親(68)は「40歳を超えたら、うちの息子に申し込む親御さんが激減しました。43歳以上だと、申し込みがゼロになるそうです。41歳の息子はあと2年が勝負です」と嘆き、男性の「43歳」が、参加者のリクエストで上限になるという婚活の現実を訴えた。このように男性も年齢でふるいにかけられる。それが日本の婚活の現場なのだ。(作家・夏目かをる)

週刊朝日  2017年6月23日号より抜粋

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